底辺過ぎてちょっとビビる

26歳からIT業界にいるエンジニアが、まったく成長できてないことを確認するブログ。備忘録的に使いたいとも考えています。

【ゲーム感想】探偵神宮寺三郎シリーズの「ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ」をプレイしました

久々の据え置き機での神宮寺三郎シリーズの新作、ということで結構期待していた「ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ」をプレイしました。

 

アドベンチャーゲームなので当然ストーリーに関する話はできないけれど、システム面とかゲームの作り全体に対するふわっとした感想くらいなら述べても問題ないかな〜と思うのでつらつら書いていきたいと思います。と言ってもまだ序盤のシナリオしかクリアしてないので、全体的な感想は語れないので、参考程度に読んでいただければ。

 

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ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ

 

探偵神宮寺三郎のイメージとはかけ離れたシナリオ

今作「ダイダロス(どういう意味かはまだわからない)〜」は神宮寺三郎の幼少期から青年期までの話で、いわゆるアナザーストーリーと言ってもいい感じ。いつもの神宮寺三郎は「陽の当たらない探偵家業」「昼と夜で顔を変える新宿という街」「いつものタバコ」というちょっと(大人という意味の)アダルトなムードが特徴的で、そして舞い込んでくる数々の依頼を調査していく上での人間模様を楽しむゲーム、といった感じがある。しかし、ダイダロスはまだその神宮寺三郎になる前というか、どうして彼が今のような名探偵になっていったのかを知れる作品、という印象を持った。

 

 

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幼少期の神宮寺。かわいい。

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そして青年期の神宮寺。ハンサム。

 

シナリオの1番目は幼少期の神宮寺が参加したキャンプ(サマースクール)で起きた事件を追体験する、という内容で当然彼はまだ推理の途中でタバコを吸ったりしない。

 

特徴的なゲームシステム

今作ではいくつか新しいシステムが導入されている。

  • 思考の樹
  • スタンスチェンジシステム

 

思考の樹は、いわば証言や証拠となる物証などをそれぞれ繋ぎ合わせて、情報の整理を行い、最終的に果実(=推理結果)として導き出すためのシステム。本来頭の中で行う情報の整理をビジュアル的に表現したもの、といったところ。

 

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情報整理の結果、果実が実りました

 

スタンスチェンジシステムは、情報を得るための会話をどうやって繋いでいくかを選択肢から選ぶようなイメージ。例えば会話をする相手の心理状態などによって脅すのか宥めるのかを選択肢から的確なものを選ぶことで、情報が得られたり失敗したりするイメージ。今作では、会話の選択肢によっては相手が逆上してしまいゲームオーバーになることもあるので、大事な場面では慎重に選択する必要がある。

 

システム名は馴染みがないが、システムとしては目新しさは正直ないかな、という。探偵もののアドベンチャーなら情報整理は何らかの形で行うし、会話によって相手の態度や発言が変わるというのは昔からあるし。

 

メインの会話画面について

実写の風景を使った背景を360度見渡せるデザインになっているのが面白い。今までのアドベンチャーだと部屋の一部分を眺めて、そこからポイントを調査するような仕組みが多かったが、今作では背景全てをぐるっと見渡せるので臨場感がある。

 

実写を取り込んで作っているので、正直ゲーム的な意味で言えば面白さはないが、リアリティをぐっと上げるのに効果的な感じはしている。ただ、人物は2Dのキャラクターがそのまま配置されて描かれているので、背景とキャラクターの乖離が発生している感は否めない。キャラクターがそこに置かれた人物のパネルに見えてしまうというか...

 

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3Dでも良かったのでは?

 

この実写背景と2Dのパネルっぽいキャラクターの違和感はシナリオ中ずっと拭えなくて、ゲームへの没入感を削いでいた。実写背景は写真そのままではなく、解像度を落として若干イラスト風にはしているものの、どうしてもキャラクターとの次元の差は如何ともし難い。気にならないプレイヤーもいるだろうが、自分はダメだった。

 

開発費の中でも特にアドベンチャーの場合「背景」にかかるコストは割合として低くないというのはプレイしていたらわかる。背景に一番お金がかかるのではなかろうか....場面が変わるたびに専用の背景を用意しなくてはいけないし、コストはかかるのに使い捨てになる背景もたくさんあるだろう。実写を取り込めば、「作画」という部分をだいぶ端折れる。つまり「コスト削減の手段としての背景実写取り込み」という、そういう部分も見えてくる感じ(穿った見方すぎだろうか)。ただRPGなど他のゲームジャンルに比べれば比較的コストがかからないジャンルであろうアドベンチャーゲームなので、しっかり作り込んでほしかったとも思う。何せアドベチャーは没入感が大事なので。

 

 

シナリオ1を終えての感想

まだ一つのシナリオを終えただけなので、このゲームの全体像はまだ見えてこない。ただ、手触りとしてはつかめた感じ。一人称視点の古き良きゲームシステムのアドベンチャーなので、やっぱりドラマの見せ方がどうかという部分が肝になると思う。私自身は神宮寺三郎シリーズのファンということもあるので、キャラクターに対する愛着もあるからプレイしていて楽しいが、新規のプレーヤーからはどういう感想になるだろうか。

 

オーソドックスな探偵モノのアドベンチャーは以前からあるけれど、できればシナリオ以外でも驚きや新しい体験をさせて欲しいなぁというのが本音。今作でいうと、今まで通り「コマンド総当たりしていればいつの間にか事件解決」ということにはなってないので、会話の選択もゲーム性が出てきているので、そこをもう一歩進めて欲しいかな。

 

ファミコンの時代には表現できなかったことを、新しいゲーム機でなら表現できるはずなので、そこを頑張って欲しい。