【ゲーム感想】ペルソナ5ロイヤル(ペルソナ5R)をプレイしました
今、日本で一番おもしろいRPGシリーズではないか、と個人的に思っているペルソナシリーズのペルソナ5Rをプレイしました。購入したのは3年前くらいで、当時なぜかストーリーの10月頃に途中でやめてしまっていてしばらく放置していたものを、最初から再開した感じです。大体ストーリーの大筋を知っているとプレイしていても驚きがないので作業的になりがちなんですが、細部はほぼ忘れていたのでストーリーは普通に楽しめました。さすがに3年前の内容は記憶にない...
最後までクリアしたので(多分ベストエンディング)、レビューというか感想を書いていきたいのですが、例の如く物語の根幹にせまるようなネタバレは無しの方向で記事を書いていきます。
オープニングのカジノシーンでいきなりテンションが上がる。BGMになっている「Life will change」のノリの良さも手伝って、「あ、これは面白いゲームなんだ」と印象付ける。主人公と謎のメンバーとのやりとりが緊迫感を煽り、「今どういう状況?」と若干混乱しつつも話は進んでいく。主人公の逃走経路を塞ぐように出てくる敵を蹴散らし、どんどん脱出経路を進んでいくのだけど、最後の最後で思ってもみない結末になってしまうので、さらに混乱する。
オープニングからなかなかスリリングなストーリーが展開されて、ペルソナ3とも4とも全く違う匂いを感じる。
現実世界を舞台にしたRPGはシンプルに楽しい
今回のストーリーの舞台は、東京都が中心となっていて、馴染みのある街を日常パートで駆け回る。三軒茶屋、渋谷、新宿、原宿、代々木、吉祥寺、中野、浅草...。三軒茶屋は四軒茶屋とか微妙に名称をフィクション設定にしてる場所もあるけど、町並みは現実のそれぞれの街を再現しているので、歩き回るだけで楽しい。
3は臨海都市(モデルはお台場ぽい)、4は地方都市(モデルは山梨県のとある街ぽい)でゲーム中では特にはっきりわかるような感じではなかったけど、5はそうではない。渋谷の駅前だけじゃなくて、銀座線やJR山手線などの駅構内とかしぶちかなどのショッピングモール、センター街とかの再現度が非常に高くて、驚いた。
完全フィクションのファンタジー世界とかSF世界の街を歩き回るのも面白いんだけど、現実世界を再現している場合って見知った街であると余計に興奮しませんか?
個人的には夜に訪れたスカイツリーから眺められる夜景が美しくて、特に良かった。よくデートで使わせてもらいました。hahaha
現実世界を再現してると、「聖地巡礼」なんていう楽しみも出てくるじゃないですか。三軒茶屋の路地を歩き回って、喫茶ルブラン見つけてみたいですよね。P5Rで追加された吉祥寺も、おまけ的な追加ではなく割としっかり街が再現されててよかった。行列のできるお惣菜屋さんも再現されてましたね。
ストーリーに関して
ネタバレになるので、あまり言えないんですけど、なんとなく予想してた部分と予想を裏切られる展開とが入り混じってすごく面白かった。
怪盗団結成して世直しを始めていってだんだん世間から認知されていく流れと、世間の評価が上がりきったところで一気に落とされるところ、これはなんとなく予想がついてました。名声が欲しいわけじゃないんだけど、熱に浮かされる怪盗団の幼稚な部分(特に竜二)とか見ててハラハラしてました。実際自分が怪盗団のメンバーだったらどうだっただろう?ニュースやネットで話題になってて評価されていれば、天狗になってたかもしれないな。特に高校生くらいの多感な時期には。
話は戻るんですが、最初の頃の佐倉そうじろうに邪険に扱われるの結構プレイしてて心にくるものがあった。暴行罪なんて冤罪なのに、レッテル貼られたらそれを覆すのは本当に大変。しばらく真面目にしてたって、ちょっと道を外れたことしたら「やっぱりこいつは暴行するようなやつなんだ」って評価が戻ってしまう。操作してるだけなのに、こんな感情になるなんて、ちょっとナーバスすぎるかな。マスターとはだんだん関係性が良くなってきて、コーヒーとかカレーとか作り方を教えてもらうようになったりして絆が深まっていくんですが、ある程度まではドキドキしながら会話してた気がする。
モルガナに関して
モルガナがいたからP5Rはすごく明るかった。彼がいるといないとじゃ大違いだった気がする。というのも怪盗団のメンバーって癖揃いで、ちょっとしたことですぐに喧嘩し出すので!だいたいリュージから始まるんだけど...
P5Rプレイの前にカプコンの大神っていうアクションゲームプレイしてたんですが、そこでもイッスンっていう相棒みたいなキャラが登場するんですね。今までずっと一緒にいたのにある事情からイッスンがプレイヤーの前からいなくなるんですけど、それが想像以上に寂しくて。
これまでいつもそばにいて、何かとリアクションを取ってくれたりしてくれた存在がいなくなることの寂しさを強く感じたんですが、モルガナもある場面でいなくなるんですけど、すっごく寂しくて。いつだって主人公のカバンにすっぽりハマっていつでもどこでも一緒だったのに。自室にいるときに「明日に備えてもう寝ようぜ」とか何か主人公がアクションとった時なんかのツッコミだったり何でもかんでもリアクションくれたのがモルガナだったわけですが、それが一切なくなるのはほんと空虚だった。
怪盗団メンバーについて
まず、メンバー云々の先にアジトというものの存在がよかった。
序盤は学校の屋上がいわゆるアジトとして使われるのですが、場所が渋谷駅の通路に移った後、最終的に主人公の居候先の部屋がアジトになって、怪盗団が集まる様子は非常に良かったです。なんか屋根裏部屋の雰囲気も相まって、本当に秘密基地のような感じで。
怪盗団のメンバーたちについては本当に現代的な高校生って感じでジェネレーションギャップは感じながら、本質は自分達の世代と大きく変わってないのかな、と思いつつ眺めていました。ペルソナ4のメンバーたちに比べると都会で生活している、という違いがありますが、彼らよりもちょっと特殊な家庭環境にあるメンバーが多かったように思います。特に世相を写している感じがしました。
両親が揃ってない家庭を持つキャラクターが割といて、それはもう標準なのか?というレベル。いずれ性自認が身体と異なるキャラクターとか出て来そうですね。あんまりそういった要素まで入れなくていいと思ってますが...声のでかいそっち方面の意見は無視してほしいですね。
しかし、ペルソナに出てくるキャラクターって設定というか人間性がリアルだと思うんですよね。不良っぽい子も真面目っぽい子もいかにも役割をふられただけのキャラクターじゃなくて、ちゃんと血が通ってる感じがする。長所も短所も混ぜこぜの一人の人間って感じでその一面だけ見てどうこう言いたくない感じ。これは未プレイのペルソナ1女神異聞録とペルソナ2を除いてプレイしてる3から持ってる印象なんですけど。
幼稚さ、という意味では登場人物ほぼ高校生で見た目は大人っぽいですが、子供なので当たり前なんですけどね。むしろその幼さは大人なら躊躇しちゃうことにも勢いよく関わっていける。ただ現実の世界の話なので、無茶をしてしまうと警察が関わって来てしまう。そのへんの難しさは現代の日本を舞台にしていることでの面白さだと思います。
ネタバレなし、という宣言をした都合上それぞれのキャラクターについて深掘りして話ができないのですが、好きか嫌いかでいうと嫌いなタイプの人間なんですけども途中から加入する「彼」には救われて欲しかった。というのが感想になります。
システムについて
今作は久々に悪魔会話が復活して、悪魔との会話も楽しめました。序盤は悪魔会話でスカウトした悪魔を育てつつ進めるんですが、1回の戦闘で手に入る経験値は多くないので、よほど集中的に育てるんじゃないと悪魔ってあまり成長しないんですよね。なので、パレスで仲間にした悪魔と同種の悪魔と戦闘を繰り返して、その悪魔自身への経験値をとにかくたくさん積む、ということをずっとやってました。時間がかかってしょうがない...
せめて一回の戦闘で仲魔悪魔の全てに経験値が入るようであれば楽だったんですけど、それはアトラスの「長時間プレイしてもらうための施策」だったのかな、と睨んでいます。短時間でプレイされてすぐに中古市場に流れてしまうことを阻止するために、というか。
バトルシステムに関しても大変よく練られていたと思います。メガテン3から導入されたウィークポイントを攻撃した際の既存システムはそのままに、怪盗団のチームワークとか絆を端的によく表した「タッチ」による連携システムは非常に面白かった。コマンドRPGのバトルなのに、どんどん攻撃役が切り替わる踊るようなスピーディーさも表現できていると感じます。
パレス再突入時も、セーフルームへの直接移動が可能だったのはユーザーフレンドリーでしたね。予告状送付後はパレスの警戒度が限界まで上がるので、即最終セーフルームに移動した後でボス戦に突入するプレイスタイルでした。
全体的な感想
3をプレイした時は3が、4をプレイした時は4が、それぞれベストRPGに感じたのだけど、5Rをプレイした今は3や4を超えて面白いRPGだったと思う。もちろん3や4でそれぞれ5にはないいいところがあるのだけど、システムやグラフィックなどが徐々にブラッシュアップされた結果、最新作が最も面白く感じる。もちろんプレイした人によって感想は異なるだろうが・・・
特に5Rは5に追加エピソードがあるので元々ボリュームのあるゲーム内容がさらに厚みを増している。だらだらプレイしてしまうので総プレイ時間が簡単に100時間を超える。コスパ?という意味では非常に高いのがペルソナ5Rなんである。
今回クリア段階では関わりを持てるすべてのキャラクターとの相性はマックスまでいきませんでした。なので、本当の意味での完全なベストエンディングを迎えたわけではないんですが、プレイ時間的に「もうそろそろいい加減クリアしていいだろう」という思いが出てきてクリアしちゃいました(ゲームシステム的に日時制限があり思ったタイミイングで相性を上げられるわけではないけど)。
グラフィックに関していうと、ある程度の到達点まできた感じは受ける。これ以上リアリティを追求するのであればUNREALエンジンを導入することになるのだろうけど(今もすでに使われている?)、今でもすでにある程度の圧倒感があるので、新作が出たとしても「グラフィックが向上したなぁ」という驚きは少ないかもしれない。
4(PSVita)→5(PS3)だったので明らかなハードによる表現できる差が大きかったってのはあったと思うので。6がもし出るとしたら・・・どのハードになるのか今から気になるところです。
また、悪魔一人一人にかかる描画コストが大きくなるにつれ、登場できる悪魔数に限界がきているのは気になるところです。3DSのメガテン4では数百体〜千体近くの悪魔が登場できましたが、ペルソナの場合、3Dグラフィックで描画せざるを得ない関係上多くのバリエーションを登場させることがコスト的に難しくなってる。登場悪魔もだいたい同じ悪魔で半分くらい固定されている気もする。
このへん、なんとも言えないんですが、一部悪魔に関しては刷新してほしいような気持ちが若干あります。どうでしょう?
ペルソナ3リローデッドも楽しみではあります