底辺過ぎてちょっとビビる

26歳からIT業界にいるエンジニアが、まったく成長できてないことを確認するブログ。備忘録的に使いたいとも考えています。

【ゲーム感想】デビルサマナーソウルハッカーズ2をプレイしました

セガサターンで「ソウルハッカーズ」が1997年に発売されて25年の時が経ち、2022年にまさかの続編の発売に驚いたソウルハッカーズ2(以下、SH2と略します)をプレイしました。NORMALモードでクリアしました。

 

例によって、クリアしたからといって物語のネタバレになるような内容の記事にしないつもりですが、多少エッセンスは漏れちゃうかもしれません。感想をざっくりいうとSH2は面白いRPGでした。

 

 

リンゴとフィグ

 

ファーストインプレッション(発売前)

ちょっと時間はプレイ前に巻き戻って、ソウルハッカーズ2が発売される!という情報が出てた時点になります。ネットでは最初に謎のSNSアカウントが出現しました。人工知能が「人類の情報を色々と収集する目的でさまざまな質問を行い、その結果をYouTubeで発表する」、というような内容だったと思います。なんだろうと思ってリプライを返したりYouTubeを見たりしたような。

 

そこからしばらくしてそのアカウントはSH2に登場するAionという情報知性体とでもいう感じの存在で、SH2が発売される、という情報につながったと思います。

 

え?ソウルハッカーズ2が発売されるの?!ととても驚きました。私がプレイしたソウルハッカーズはDSでリメイク発売されたもので2012年以降でしたが、それでもだいぶ前にプレイしたなぁという感じだったし続編の発売がされるような気配は一切なかったので、本当に突然という感じでした。おそらくみんなそうだったんじゃないかなぁ。

 

主人公であるリンゴの情報が出てきて、ずいぶんポップなデザインだなぁと思ったり、公式サイトで公開される仲間キャラクターや敵のデザインを見て「なんか派手だけど、線が細いデザインであまり好みじゃないなぁ。特にサイゾーとかいかにも寝返りそうなキャラクターデザインじゃん...」とか思ったりしました。

 

 

まあ信頼と実績のアトラスゲームだし、予約して買うか。という割と最初の驚きからするとちょっと落ち着きすぎた着地でソフトの予約をしました。

 

リンゴちゃん、最高

ゲームをプレイして多分大体の人が、開始5分くらいでリンゴの虜になるんじゃないか。事実、私は虜になった。世界崩壊の危機に際して人工知能Aionから分離して派遣された存在な訳だけれど、いかにも「人工知能でございます。私は全知全能であるので人間どもは私の思考による判断結果に全て従え」という感じではなくてもっと純粋な存在(その代わり知性レベルは高い)。人間とは何か?を生まれ落ちてどんどん理解しようとするような柔軟な存在。ルールがあってあまりにそれを逸脱するのはダメだけど、その範疇でなんとか工夫しようとする。雨の気配を肌で感じたり、食事をしてモノを味わうなど今までAionとしては一切感じることのなかった感覚に面白さを覚えるところなど、見ていて楽しい。

 

何よりリンゴの持つリーダーシップについては、現実の自分の仕事をする上でも見習いたくなるところが多い。リンゴ以外のメンバーはそれぞれ元いた所属組織がそもそも対立していたり、どこにも所属しないフリーな立場だったりして方向性がバラバラ。方向性がバラバラなのは仕方ないにしても、当然みんなそれぞれ考え方もバラバラなのでそれらをまとめ上げてチームを一つにするというのは想像以上に大変。特にサマナーと呼ばれる彼らは何か一つのボタンのかけ違いによって「死」が身近な職業なので、雑な思考じゃ誰もリーダーに従わないし、チームがまとまるわけもない。

 

そのあたり、リンゴは(会話選択肢にもよるが)現実的かつ実現可能であり、対処すべき優先度をよく考え、メンバーへの叱咤・激励、またユーモアのある会話で盛り上げていたと思う。凛とした態度での敵への対応をすることも多く、これまでプレイしたゲームの中でもかなりキャラクターとしてかっこよかったように思う。もしこれが未熟な少年キャラが主人公だったりすると、「なんだって・・・?」「何が目的なんだ?!」「やめろー!」「お前らの思い通りにはさせないぞ!」などと幼稚なセリフを聞かされ続ける羽目になっていたはず。

 

 

それと、今回のSH2はプレイヤー=主人公という従来のSHのスタイルではなく、ストーリーを第三者の視点で眺めるタイプのゲームスタイルだ。ただ、プレイする中で色々な選択肢が登場するので、そこはプレイヤーが選択することで物語を分岐させることができるため、あまり違和感はなかった。

 

バトルシステムについて

特筆すべきなのが、「プレスターンバトル」ではなくなったこと。真・女神転生3から導入されてその後のメガテンシリーズやペルソナシリーズでも導入されているこのバトルシステムは、非常にシンプルながら奥行きのあるバトルを展開できるシステム。バトル中に敵・パーティの弱点になるような攻撃やクリティカルヒットをすると敵・パーティ側の攻撃回数が増える、というもの。

 

割と導入されてから長いこと経ってたので、メガテン(ペルソナ)シリーズ=プレスターンバトル、というイメージにもなっていたけど、今回のSH2ではそれは採用されなかった。代わりにパーティ側の攻撃が弱点、クリティカルになると仲魔がスタックされて攻撃ターン終わりにスタックされた仲魔による一斉攻撃がされる、というシステムになった。どちらかというとパーティ側に有利なシステムになった、という感じ。敵側の攻撃がたとえパーティの弱点になるような攻撃だったとしても敵側から一斉攻撃をされるような仕組みではないので。

 

これを人によっては「シンプルかつ爽快感が増した」となるだろうし、シビアな戦いを好む人は「難易度が下がった」というかもしれない。私はどちらかというと前者のタイプなので、バトルのシンプルさと一斉攻撃の爽快感があってとても良かった。

 

このシステム、サバトシステムというのだけど、スタックされる仲間が増えるとサバト発動前の仲間大集合シーンが本当に不穏で怖くてかっこいい。また、一斉攻撃するだけではなく追撃も発動することがあり(追撃パターンは様々。HP回復やMP吸収など色々ある)、いろんなバリエーションが楽しめる。

 

これでも控えめなメンツ

また今回のSH2ではパーティメンバーはそれぞれ悪魔を召喚して戦うスタイルになっている。ペルソナチックだけど、ペルソナの場合主人公は様々な悪魔を召喚できるいわゆるワイルドカードという存在だった。そして仲間はそれぞれ固有のペルソナ(悪魔)を召喚して戦うというスタイル。SH2ではパーティ全員がワイルドカードというようなスタイルなので、メンバー全員に固有悪魔は存在しない。

 

なので、バトル時は(COMPの設定にもよるけど)バトル開始時に召喚していた悪魔をパーティ間で入れ替えたりできる。通常時も誰にどの悪魔を召喚して装備?させるかを自由に決められる。仲魔の設定もだいぶ過去作と違うデザインになっている。

 

主人公以外のパーティメンバーは固有の悪魔であるべき?というところからスタートして「別に固有じゃなくてもいいんじゃないの?」という新しいデザインの提案だったと思う。そもそも前作では、主人公がスプーキーズとは別に仲魔と共に一人だけでダンジョン攻略してストーリーを進めていたので、そういう仕組みだったかもしれない。SH2では主人公、そしてそのほかに一緒に戦う人間の仲間がいる、という大きな違いがある。

 

 

登場キャラクターについて

ネガティブなことを言うと、最初に登場キャラクターを見たときは、ファーストインプレッションでも書いたけれどそれぞれのキャラクターデザインはなんかあまり好みじゃなかった。特に前作SHのスプーキーズの面々のファッションなんかが割と現実的だったので、アロウとサイゾーのファッションが奇抜というかちょっと幼稚なファッションに見えて「うわぁ」と思ってしまった。サイゾーなんかは「ギザ歯」「目カクレ」のトリッキーなデザインで、いかにも「途中で裏切り、もしくは最初からスパイ的な存在」だと思って、なんか嫌だなぁと感じてた。

 

アロウくん

サイゾーくん

だけど、それらのネガティブな印象はプレイすることと声優さんの演技でほぼ払拭された(アロウのファッションのダサさは最後まで)。アロウは見た目からは意外なほど冷静で落ち着いた性格で、どちらというと控えめなタイプだったし、サイゾーは飄々としていながらも、ユニークな性格でパーティを盛り上げるタイプだった。彼らとリンゴとの会話はとても楽しかったし、見飽きなかった。アロウとミレディは元々の所属組織が対立していたこともあって、犬猿の仲だけれども意外とお似合いの二人なんじゃないかって思えるくらいだんだん関係性が変化したりして、ちょっとほのぼの見ていた。ミレディは声もスタイルもセクシーだったので一押しのキャラです。

 

フィグというもうひとりのAionエージェントも可愛かった。戦闘には直接参加しないサポート側のキャラクターだったんだけど、普段のいかにもなお固い会話とたまに見せる動揺した姿とか、戦闘をサポートするための遠隔操作用ドローンのミミのお茶目なデザインとかとても良い。

 

ミミ(かわいい)

 

登場キャラでプレイ中になんか嫌だなぁと思うようなキャラがいなかったので、それはこのゲームが自分には合ってたということだったんだと思います。というかアトラスゲームでそういうことないんですけどね。それぞれみんな個性があって好き。

 

 

最後に

難易度NORMALモードで、総プレイ時間70時間ちょっと。悪魔全書の取得率70%くらいで、エクストラダンジョンであるソウルマトリクスは4階層まで全員走破したけど、5階層目まではやってない、というすごーく中途半端だったけどクリアしちゃいました。周回プレイすれば全員のソウルマトリクスは走破できるようですけど、ストーリーが気になっちゃって・・・。クリア後、リンゴたちと一緒にソウルハッカーズ世界を冒険することができなくなるのはすごく寂しくなりました。それくらい楽しかった。

 

前作ソウルハッカーズとはまた違ったアプローチの本作。確かにソウルにハックしてた。前作はハッキングとかVRとかの方面でSFというかサイバーパンクしてました。今作はどちらかというと現実世界(ちょっと違うけど)と地続きの世界でそこまでサイバーパンク的な感じではなかったですけど、リンゴという存在そのものがサイバーな存在で十分かな〜という感じ。前作はどちらかというとダークな世界観(3Dダンジョンだった、ということも大きい気がする)だったんですが、本作はポップさが割とあるので、メガテンシリーズ、ペルソナシリーズ自体が初めてという人でもとっつきやすさがある気がする。

 

アトラスゲームでいうと、SH2の前に真・女神転生5をプレイしているのですが、それとは本当に全くシナリオの作りが違っていて、差別化されているな〜と思いました。もちろんペルソナのジュブナイル感とも違うし。

 

なんでアトラスの作るRPGはこんなに面白いんだろう。悪魔合体でどの悪魔を作り出そうか悩むのがすごく楽しい!

 

今回初めて仲魔にできたクルスーニクなど。ダーキニーのモーションがなんか艶かしかった。