中国人と仕事するうえでの日本語の壁というかハードルというか
今のプロジェクトでは、設計部分を日本で担当し、コーディングを中国で行っている。プロジェクト管理ツールとメール、IPメッセンジャーなどを使って現地のエンジニアとやり取りを行っている。また、設計の現場でも中国人エンジニアがおり、一緒に頑張っている。まぁ、とにかくスケジュールが遅れているわけだ。これが。
設計と結合試験を日本でやっている。結合試験のテストケースの作成とテストの消化もあるのでけっこうたくさんひとがいるのだけど、割合としては6対4くらいで中国人がいる。正直フロアにいる中国人に囲まれている印象だ。
彼らはべつに日本語ができないということではない
彼ら中国人は日本にわざわざ来るくらいなので、日本語には堪能な人が多く、普段のやり取りでは特に気になる点はないが、やはりネイディブではないので細かい言葉のやり取りの中で、お互いに「?」が点滅することも少なくない。
仕様で分からないことがあれば、当然中国人は仕様理解者に質問に来るわけだけど、その回答が日本語の口語で行われていて、ちゃんと通じてるのか疑問になる。
例えば、SQLを投げるとかデータを引っ張ってくるとかあげれば限りないがなんていうか日本語として習うものとは違う言葉が使われていることもあるし、理解の妨げになることもあるのではないだろうか?と思ってしまう。
日本人でも慣用句に「?」となるケースもあるだろうし。
手がかかる、ではなく「難しい」
見ておいて、ではなく「確認しておいて」
処理が重たい、ではなく「処理に時間がかかる」
日本語に限らず同じ言葉を複数の表現で表すということはあると思うので、仕方ない部分もあるが、よく聞く「オフショア開発」の難しさは言ってみれば言葉のやり取りという部分に集約されるのではないだろうか。
もちろん国ごとに違う商習慣とか仕事に対する意識とかも要因としてはあるのはわかるが、根本の言葉という部分がとても大きいと感じる。
日本人と会話してるつもりで会話するな
現場のリーダーはまるで中国人に対して、日本人に対応するような日本語の会話を繰り返しているのだけど、「わかりました」という返答に満足しているが本当に相手が理解・納得しているということを確認しているのかな。
会話だけでなくメールにしても、日本語のメールのやり取りしかないが、意思の疎通は本当にきちんと取れているのだろうか。日本語を文章で書けば本当に伝わるのだろうか。先ほどのような慣用句にビジネス用語・ビジネス用の敬語まじり文章で果たして本当に伝わるのだろうか???
自分が逆の立場ならどうなのだろうと考える。プライドが邪魔して、わからなくてもわからなかったときちんとアピールできるだろうか。言語の問題だけでなく通常の開発でも「今何を言ったのかわからなかったので、もう一度教えてください」というのは勇気がいる。特に中国人は体面を非常に気にする人種だ。
日本側にも最低限中国語を理解する日本人の人員を配置すべき
やはり思うのは、中国人を受け入れるのであれば、完璧でなくても中国語ができる日本人が必要なのではないだろうか。
価格が安いから、というだけで中国でのオフショアを利用するのは非常に安易だと強く思う。
なぜ、こんなことを思うかといえば、今の結合試験フェーズでほとんど単体試験レベルのエラーが頻発しているからだ。これを「中国側の実装・テストの精度が低い」と切り捨てるのは簡単だけど(設計側の精度がめっちゃ悪いのが本質のような気もするが)、『設計はやったからあとはそっちで完璧に仕上げてね』というのは結局認識にズレがあれば完璧にはまずいかないわけで、雑にすまして成功するわけない。
あと、PL(PM)が営業ぽい人なので、精神論や調整に終始していてまとまってない。
実際に現地エンジニアとやり取りを多くするわけでない(ゼロではない)ので、本当の問題点というは実ははっきりわからないけど、傍から見ていてとても気になったのでブログにしてみた。
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