【漫画感想と紹介】キミは「銀十字」という漫画を知っているか?
「銀十字」という漫画がある。
作者は「真心一把(まごころ いちは)」という若手作家。漫画、とくにWEB漫画に詳しい人でもあまり知っている人は少ない作品ではなかろうか。原作は藤子不二雄(A)の「シルバークロス」というヒーロー漫画だ。藤子不二雄(A)は知っていても「シルバークロス」を知っている人は少ないのではないだろうか。かくいう私も知らなかった。
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「シルバークロス」を大まかに下敷きとしているが現代的なアレンジが加えられていて古臭いところは一つもない。というかシルバークロス自体を知らなくても全く問題ない。私もシルバークロスは全く知らなかったけれど、銀十字自体は普通に楽しめた。
どんな内容?
物語は「十字警察」という秘密組織と「QQQ」という世界的な犯罪組織との対立を描く、ヒーロー漫画だ。その「十字警察」に所属するケンが主人公で、ケンの周りには同じく十字警察所属のメンバーがいる。いずれも凄腕のエージェント揃いである。物語の筋自体は非常にシンプル(原作が古いのもあると思う)。仲間たちも個性的な面々が揃っていて、どんな活躍が描かれるかワクワクするのである。
主人公の「ケン」
個性的な「十字警察」のエージェントたち。特にお気に入りは左下の盲目のスナイパーとその連れ子らしき親子?
見どころは?
手塚治虫や石ノ森章太郎の漫画を読んだことがある人は、なんとなく「昔のコミックは画面構成がダイナミックだな~」と感じていそうなのだけど、この「銀十字」の特徴は画面構成が非常にダイナミックなのです!
真心先生の漫画はよく言われるのが海外のコミック、それもマーベルのようなアメリカンコミックじゃなくてフランスなどで有名な「バンドデシネ」っぽさも特徴的なんです。おそらく、色彩が非常にビビットなのでそういう風に言われるのかな?と思います。日本的な漫画の面白さ、ダイナミックな部分とバンドデシネ風の色使いのハイブリット感。これが真心先生の作品の特徴だと思います。
こんな感じのコマ割り、最近の漫画であまり見かけないよね。
高度がドンドン上がってるカメラの使い方。非常に映画的ドラマチックさ
1ページを大きく割って、飛空艇を描写。個人的にこのページで心奪われた。
女の子もおっぱいがくっそデカイしかわいいよ。Gカップは最低ありそう。
あまり本編から画像を引っ張ってくると怒られそうなのでほどほどにしておくけども、こんな感じで内容の濃い漫画で、気づいたかもしれませんが、全編カラーという恐ろしさ。作者の熱の入れようが感じられる。
この銀十字に関しては、現在「QQQ編」が完了していて、続編となる「カリギュラ編」がスタートしている。カリギュラ編から読んでも楽しめるように作られているので、まずはQQQ編の第一話をチェックしてみて欲しい。色々事情があってカリギュラ編からはモノクロ作画なのだけど、正直モノクロはモノクロで非常にペンタッチに味がある作家さんなので、そこらへんも注目して欲しい。
ちなみに、「QQQ編」は単体でコミック化されていて、全ページ250Pというボリュームで上でも言及したけども全編カラーという内容でたったの500円で販売されている。これは電子書籍オンリーなのだけど、売上が見込めるような紙媒体で発売もありえるということなので、ぜひ電子版を購入して欲しい。
作家さんのTwitter
真心いちは(どすこい妖精) (@ippatu358) | Twitter
世に、漫画は数多くあるけれどひさびさに「目で見て惹かれる作品」に出会ったのでせっかくなので皆に知ってほしくて記事にしました。よろしくね。