底辺過ぎてちょっとビビる

26歳からIT業界にいるエンジニアが、まったく成長できてないことを確認するブログ。備忘録的に使いたいとも考えています。

【雑記】いわゆるハーレム系ラブコメ漫画は主人公がいる必要性が感じられない

いい年して未だにジャンプ読んでます。最近はもっぱらハンターハンター連載のためにジャンプを買ってましたが、御存知の通りハンターハンターは単行本が出せる分だけ連載しては、休載して連載して休載しての繰り返しです。ハンターハンターの連載再開のたびにジャンプを買うようにしてたんですが、それ以外の漫画もけっこう面白かったりするので、お風呂の友として(風呂場でジャンプ読むことで自然と長湯になる)最近は普通に毎号買うようにしてます。

 

最近のジャンプはいわゆる恋愛漫画の割合が増えたのかな~、という印象です。今だと、「ぼくたちは勉強ができない」「ゆらぎ荘の幽奈さん」「クロスアカウント」と20連載中3作品も恋愛漫画があります。そんなに必要か?という感じですが、需要があるんでしょうか。

 

この3作品のうち2作品(ぼくたちは~、とゆらぎ荘)はいわゆるハーレム系ラブコメ漫画です。

 

  • 一人の男性主人公がいて、
  • 主人公の周りにはほぼ女性キャラクターだけが存在し、
  • 女性キャラクターのほとんどが主人公に対して好意を持つ、

 

というパターンの漫画です。個人的に恋愛漫画は疎い方ですが、三角関係になるとかではなく主人公だけに複数の女性からの好意が向くパターンの漫画多すぎじゃないでしょうか。ジャンプでもちょっと前に連載していた「ニセコイ」とか、雑誌は移りましたが、「To LOVEる」とか。

 

主人公にとって障害が一切存在しない世界

読んでて顕著なのが、最近のラブコメっていわゆるライバルキャラって存在しないんですね。主人公と女の子を取り合うようなキャラクターが存在しない。「めぞん一刻」で言えば三鷹さんみたいなキャラクターがいない。

 

なので、主人公はたくさんいる女の子の中から「誰を最終的にチョイスするか」だけになっている。最終回までに色んな女の子といい感じになるけど、それはなんとなくカオスを作らないと物語が平坦になるのでそういう過程が必要になるから。

 

それと主人公はまったく積極的にはならない。極端に言えば「好きだ」という言葉も最後の最後まで女の子に言わない。あくまで女の子からのアプローチがほとんどで、主人公は受け身を貫く。エッチなハプニングも女の子が勝手に巻き起こすので、主人公は甘んじるだけでよい。転がった先がたまたま女の子のスカートの中だったり、何かつかもうとした手がたまたまつかむのは女の子のおっぱいだったりする。

 

女の子はなぜか主人公以外に対象となりえる男性キャラクターが存在しないので、そういうセクハラじみた行為がなされても、決して主人公を生理的に嫌いになることはない。というか女の子側が主人公に少しでも好意を持ってれば、そういうセクハラをされても主人公に対する感情に変化が起こらないと決まってるような感じだ。

 

言ってみれば、ハーレム系ラブコメ漫画という舞台に配置された装置としての役割しか彼女たちには与えられていないので、本当によほどのことがない限り女の子たちが主人公を一方的に嫌う、というような状態にならない。すごい世界だ。

 

 

主人公ってなに?

特に自分からアクションを起こすわけでもないのに、勝手に女の子から好意を寄せられ続ける主人公の物語を読んでいても、なんの感情も起こらない。普通年頃の高校生が目の前で女の子から迫られたらあっという間に一線を越えると思うのだけど、主人公は恐ろしいほどの自我でそういう部分を抑えるので物語は特に進展しない。

 

主人公が最終話にならないと必ず拒否するので、勇気を絞って迫らった女の子はただただ迫り損なだけ。裸で抱き合って一夜を過ごすようなことがあっても、翌日以降は何もなかったかのように主人公との関係性は続いていく。主人公といえば、「パンツ見ちゃった」「おっぱい触っちゃった」程度のドキドキは味わうものの、一過性の感情でしかなくまた普通に他の女の子と謎のハプニングの巻き起こる日常に戻っていく。感覚が麻痺してるのかな。

 

 

女の子はアクションを起こす側、主人公はアクションを受ける側、という決まりきったシチュエーションしかないのはなぜなんだろう。もちろん主人公がアクションしてしまったらハーレムモノとしての物語が終焉するから、というのはわかる。物語において受動的に動かす存在ではない主人公ってどういう存在なんだろう。何かアクションを起こすからこそ、主人公といえるのではないかな...

 

関係あるのかどうかわからないが、「ぼくたちは~」や「ゆらぎ荘~」の主人公は自制が効き過ぎてるので、何かエッチなハプニングが起きても(例えばおっぱいがあらわになるようなシーン)、そっぽを向くか顔を隠して照れているだけで状況を乗り切る。家に帰ってそのシーンを頭に思い返して身悶える、というようなことは一切しない。こういう自制が効き過ぎてる主人公像というのはおそらく読者からのいらぬ反感を受けないようにしているのだろうと思う。

 

あくまで主人公は冷静で倫理観の高い存在、とすることで「主人公はいい男」というキャラクターとして作り上げようとしているのだろうけど、現実離れしすぎていてむしろ嘘くさい。煩悩を完全に切り離す修行を積んだ修験者か、というレベルなのだけどこれを「いい男」として見るのはちょっと無理がある気がする。

 

こんな感じでまったく人間味がない主人公なので、はっきり言って彼らが話に登場しなくても漫画としては成り立つ(女の子主導で勝手にエッチなハプニングが起こるだけなので)のがハーレム系ラブコメの認識なのだけど、どうだろうか?女の子同士が仲良くなにかする、というだけで漫画として成立してしまいそうな気がする。ラブコメのラブ(=恋愛)をどのように展開させるか、というのがどれだけ物語の構成として重要ではないかを体現していると思う。

 

ハーレム系ラブコメだから楽しめないというわけじゃない

おそらく恋愛ゲームでさえ、主人公が日々のパラメータアップを怠けたり、選択肢で失敗すれば女の子たちは主人公への高感度は下がるだろうし場合によっては修復不能になるのではないか?プレイヤー=主人公と考えると、女の子キャラクターにどうにか振り向いてもらえるようプレイも考えたりするわけで、受動的ではなく能動的になる。

 

ゲームではない漫画ではあくまで主人公の人格は読者とは別にあって、彼の行動や心理を見守ることしか出来ない。ところが、ハーレム系ラブコメにありがちな「一切波風の起こらない物語」では、文字通り何も起こらないのでなにを目的に楽しめばいいのだろうと思ってしまう。楽しめるポイントは皆無に思えるが、作品によってはアニメ化したりするほど人気になったりするので楽しめてる人との感覚のズレを意識してしまう。どこをどう読めば楽しめるのだろう。主人公ではなく、彼女たちに感情移入すればいいのだろうか。

 

ハーレム系ラブコメに限らず、「どういう展開になるのだろう」というハラハラ・ドキドキやカタルシスの一切ない物語は個人的にあまり面白く感じない。バトル漫画でも、何故か主人公は苦戦するような展開があってもなんだかんだいってうまくいってしまうような物語は読んでいて退屈。有名な漫画で言えば、「ブリーチ」なんかはカタルシスを一切感じられない物語だった。言い方を変えれば想定内の話が延々続く物語は面白くない、ということ。サザエさんの世界と同じだと思う。

 

こういった波風が起こらない物語は、むしろ読者側が望んでいるというのをどこかで読んだ記憶がある。たとえば最近のラノベでは主人公が一切苦労しない展開(=いわゆる無双やチート能力満載)でないと読者がストレスを受けるのでダメとかいう話。そんな読者がほんとに大半なんだろうか。そんな読者はごくごく一部にしか存在しないのでは??

 

実際、ハーレム系ラブコメ物語として楽しんでる読者は実は一人もおらず、支持してる読者もあくまで可愛い女の子たちが可愛くエッチに存在しているそのシチュエーションだけがよいというだけなんじゃないか、というのが個人的な感覚。つまり主人公は本当に添え物として誰からもなんとも思われていないんじゃないか...という。詳しい方教えてください。

 

 

 

今回のエントリーとは全く関係ないですが、「青春兵器ナンバーワン」と「トマトイ・プー」は好きです。「鬼滅の刃」も好きです。

 

 

 

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