プロ野球の世界では、頻繁ではないが年に何度かトレードが実施される。トレードとはチームに所属する選手を他球団の選手と交換すること(場合によっては金銭との交換もある)。それまであまり活躍していなかった選手が他球団に移籍したところ、今まで活躍してなかったのが嘘のように活躍するなんていうこともある。最近のトレードで印象的なのが、元巨人の大田泰示選手。巨人ではレギュラーでもなくあまり活躍してなかった印象だが、移籍先の日本ハムファイターズではレギュラーとして活躍している。巨人は「常勝」が宿命づけられた球界でも特に異質な雰囲気を持つチームというのもあり、かかるプレッシャーも甚大ではなかっただろうというのは想像に難くない。もしかしたらプレッシャー以外に、ファイターズでは指導者に恵まれたのかもしれない(特に監督が「三振を恐るな!」とアドバイスを与えたことが大田本人にとってよかったというインタビューをどこかで見た)。
プロ野球の世界でなくても一般的なサラリーマン、例えばエンジニアでも似たようなことはあると思っている。極端なことを言えば、常に無茶な要求ばかりしてくるクライアントやパワハラ上等の上司や先輩社員に囲まれ、システム開発において不明点があっても気軽に質問や雑談をする雰囲気にならない同僚ばかりだとしてまともに仕事が出来るだろうか。そんな環境で仕事が上手くいかなくて、「仕事ができないやつ」という烙印を押されたとしてそれは本当だろうか。
元々のポテンシャルがどれだけあろうが、そんな環境ではまともに仕事ができない人がほとんどだろうと思う。たまたまストレス耐性が人より高くて環境に関係なく仕事をスムーズに出来る人もいるかもしれないが、そんな人が「当たり前」なはずはなく仕事ができない方が当たり前だろう。
でもそんな環境にいると仕事ができない自分というのが当たり前に感じられなくて、自己嫌悪に陥ることもある。その場にいるとその場だけが世界の全てで比較対象がその中にしかないから、自分が仕事が出来ないのは自分が悪いせいとしか考えられなくなる。
もしかしたら勉強が足りないことが影響してる部分もあるかもしれないし、経験が足りてないことで判断できないことがあるのかもしれない。でもそれが理由で仕事が出来ないとしたら上司や先輩はなんのためにいるの?会社はなんのためにあるの?となる。出来ない部下や後輩がいるならそれを上手く指導したりするのが上司や先輩の役目なはず。会社も全員とは言わないまでも大体の人が上手く仕事が出来るようにするような仕組みを作るべきでしょう。
パワハラ上司や無理解な先輩社員、不愉快な同僚という組み合わせの場合だけでなく、このいずれか、または自分にとって負担でしかないような環境の職場であれば、転職することも視野に入れるべきだと思う。野球選手の場合、トレードを志願することで移籍することが出来る場合もごく稀にあるが、基本はトレードやフリーエージェントという仕組みを利用しないと環境を変えることはできないが、サラリーマンであればそのあたりの制約はない。
長々書いてきたが、実は今のプロジェクト先で「仕事が出来ておらずとても自己嫌悪に陥っている」のです。もともと開発のセンスがなく、実装から逃げてばかりいたので、上記で書いたような状況とはまた違うのですが、仕事を指示してくれるプロパーの社員さんの当たりが厳しく心身がしなびてきてしまったのです。
もうベテランとよばれてもおかしくない年齢とキャリアを重ねてきているので、「プログラムの組み方」を改めて手取り足取り教えてもらうという状況も異常だと思うし...学校じゃないんだから。役立たずで申し訳なくて恥ずかしくて死んでしまいそうでした。なので、現場を変えてもらう要望を出したのですが、案外プロジェクト先の評価はそこまで悪いものではなく、「役に立ってないということはなく、今後も頑張ってほしい」という意外なもの。
ただプログラミングの考え方はみっちり身についたので、別の現場で改めてリスタートした方が精神的にはいいかなぁと思っている次第です。
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