バカみたいにデカいくくりのタイトルになってしまったが、
この記事を読んだら、つい記事を書きたくなってしまった。記事の概要としては、
優秀な外国人学生が日本のSIerに就職したものの、本来発揮される分野や業務に就くことがなく、あくまでほかの一般的な新卒学生と同様としてひとくくりにされてしまった結果、彼ら優秀な外国人がSIerを去る、という話。学生の中には、「若干」日本語が不自由というだけでそれだけで言ってみれば「邪魔者扱い」をされていた者もいた。これは無意味に「グローバル化」を標榜してるだけのSIerが外国人技術者を扱えないことの証明であり、今後もこのような形で雑な扱いが続くようであればSIerの未来は暗い。
ということだ。
ここで言う優秀な学生だった彼ら、というのは記事を読んでもらえればわかるが、中国語・英語・日本語のトライリンガルに加えて、コンピュータサイエンス出身という経歴を持つ。一般的な日本の学生であれば、コンピュータサイエンス出身というのもSIerには少数であろうし、そもそも日本語以外使えない。そういった一般的な学生に比べて、彼らのような海外出身者は実務経験はないかもしれないが、いわゆる金の卵だ。
そんな彼らを持て余したのか、そもそも彼らがどういう能力を持っているのかを把握することが出来なかったのかわからないが、結局そのSIerは彼らを手放している。彼らは入る会社を間違えた。
IT業界には非常にたくさんのSIerが存在するが、そのほとんどは自社で何かをしているわけではなく、あくまで上流の企業からの請負いで業務を遂行する。中には自社で開発したサービス、なんてのもある場合もあるがそれが世の中に広く流通していることはまれで「請負いだけじゃなくてこういうこともやってるんですよエヘヘ」というような実績として一応存在するような感じ。SIer発のサービスなんて聞いたこともない。
記事の彼らが入るべきはSIerではなく、メーカーやサービスプラットフォームを持つ企業だったり、場合によってはベンチャーだったのかもしれない。就職先を間違えたのだけど、それを「自業自得」と切り捨てるのはたやすいが、果たしてそれは正しいのだろうか?母国語を日本語とする我々ですら、「入る会社間違えた・・・」なんてのはザラで、第二言語として日本語を扱えるだけの彼らに就職の際に最適なチョイスをすることが可能だろうか。
- 「一流企業との付き合いが多い」
- 「規模の大きい案件に携わることができる」
- 「プロジェクト実績はこのように非常に豊富で、実力のあるエンジニアが多数在籍」
- 「Microsoftのビジネスパートナー!!」
等々、SIerというものがよくわからないと、非常に魅力的に映るフレーズで学生を集める。勘違いして面接に来る学生がいてもおかしくない。それが外国人の学生ならなおさら。
採用する側も「うちでは持て余しそうだ」と思うなら「あなたにはうちのようなSIerではなく違う業種の方が向いている」とアドバイスしてあげる必要があると思う。こんなことで外国から不必要な恨みを重ねてどうする。
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